
着物姿を美しく仕上げるうえで欠かせないのが、足元を飾る「草履」。
草履にはさまざまな種類や格(きまり)があり、TPOに合ったものを選ぶことが大切です。今回は、草履の格や用途別の選び方、さらには粋なデザインについてもご紹介します。

草履とは?まずは基本をおさらい
草履(ぞうり)は、和装用の履き物のひとつ。台(だい)と鼻緒(はなお)から成り立ち、足袋を履いた上に履くのが基本です。
一般的に草履は、フォーマルな場からカジュアルなお出かけまで幅広く使われますが、着物と同様に「格」があるため、シーンに合った選び方が求められます。
フォーマルな草履|礼装や式典にふさわしい一足
フォーマルな草履は、訪問着や留袖、振袖などと合わせることを想定しています。
特徴:
• 台が厚みのある「舟形(ふながた)」が多く、格調高い印象。
• エナメル素材など光沢のある台。
• 鼻緒は金銀や白を基調としたものが多く、刺繍入りも人気。
• ヒールがやや高めで、足元から姿勢を美しく見せてくれます。
使用シーン:
• 結婚式やお茶会、成人式、入学式・卒業式など。
📝 ポイント: 礼装の草履はバッグとセットで販売されていることが多く、全体のコーディネートに統一感を持たせることができます。
カジュアルな草履|普段着や街歩きに
小紋や紬、浴衣などと合わせる際には、カジュアルな草履がおすすめです。
特徴:
• 台は布張りや畳表、ウレタン素材など、軽くて履きやすいもの。
• 鼻緒は色柄豊富で、季節感を取り入れたデザインも人気。
• 歩きやすさを重視した低めの台も◎
使用シーン:
• 和装でのショッピング、食事会、旅行、日常の外出など
📝 ポイント: カジュアル用は個性を楽しめる草履が多く、自分らしい装いを演出できます。
粋な草履デザイン|おしゃれに差をつけたい方へ
最近は「粋」や「モダン」な印象の草履も注目されています。
伝統的なスタイルに、ひとさじの遊び心を加えるようなデザインは、和装好きさんからも支持を集めています。
特徴例:
• 鼻緒にモダンな柄(市松、矢羽根、動物モチーフなど)
• 台の色に黒や深紅などシックなカラー
• 畳表にエッジの効いた配色を取り入れたもの
• 職人の手仕事による一点もの
こんな方におすすめ:
• 和装の中にも個性を出したい方
• 粋な江戸好みの装いを楽しみたい方
• 着物コーデをアップデートしたい方
草履選びのコツ
1. 着物の「格」と草履の格を揃える
• 礼装には礼装用、普段着には普段着用を選ぶのが基本です。
2. サイズはやや小さめが美しい
• 草履はかかとが少し出るくらいが粋とされ、歩きやすさにもつながります。
3. 鼻緒は柔らかさが大事
• 鼻緒が硬いと足が痛くなりやすいので、慣れていない方は柔らかめを選びましょう。
まとめ
草履はただの履き物ではなく、着物姿を引き立てる重要なアイテムです。
シーンに合わせた格の草履を選ぶことで、より洗練された和装美を演出できます。
カジュアルなコーディネートでは、思い切って遊び心のあるデザインにも挑戦して、自分らしい和のスタイルを楽しんでみてはいかがでしょうか。
