帯揚げ(おびあげ)は、和装で帯枕(おびまくら)を覆い、帯周りを整えるための布で、着姿の完成度を高める大切な小物です。もともとは実用性が重視されていましたが、現在では装いのアクセントとして、コーディネートの一部として楽しむ方が増えています。
江戸時代後期頃にはすでに使用されており、明治時代に入ってから一般女性にも広く普及しました。特に振袖などの礼装では華やかな帯揚げが用いられ、着物の格式や場面に応じて素材や色柄が変わります。

帯揚げの主な産地
- 京都(丹後地方):丹後ちりめんが使われた高級帯揚げが多く、品のある光沢としなやかな質感が特徴。
- 群馬(桐生・足利):捺染(なっせん)などの染色技術を生かした現代的なデザインも多い。
- 滋賀(近江):麻素材の帯揚げなど、夏物の産地としても知られています。
通年物と夏物の違い
通年物(オールシーズン対応)
- 主に縮緬(ちりめん)が使われ、柔らかくて扱いやすい。
- 無地や絞り、刺繍入りなどデザインが豊富。
- 秋冬〜春先まで広く使える。
夏物(単衣・盛夏用)
- 絽(ろ)や紗(しゃ)といった透け感のある素材。
- 見た目にも涼やかで、夏の着物にぴったり。
- 麻素材の帯揚げもあり、カジュアルな夏の装いに合います。
帯揚げが買える場所
- 呉服店(百貨店内や専門店)
- 着物リサイクルショップ(安価で掘り出し物も)
- ネットショップ(楽天市場・Yahoo!ショッピング・Amazon・専門店サイトなど)
- 和装イベントや着物市(限定品や手作り品に出会えることも)
Amazon.co.jp : 帯揚げ
平均価格の目安
種類 | 価格帯(目安) |
---|---|
ポリエステル | 1,000円〜3,000円 |
正絹ちりめん | 4,000円〜10,000円程度 |
絞り・刺繍入り | 10,000円〜30,000円以上 |
作家物・染匠物 | 30,000円〜高級品は10万円以上 |
色合わせのポイント
- 着物や帯と同系色でまとめると上品でまとまりのある印象。
- 反対色やアクセントカラーを取り入れると、華やかで若々しい装いに。
- 季節感を意識した色選び(春:淡色系、夏:寒色系、秋:深みのある色、冬:暖色系)もおすすめ。
- 年齢やTPOに合わせたトーン調整も大切。例えばフォーマルなら白や薄いピンク、カジュアルならポップな柄も楽しめます。
まとめ
帯揚げは小さなアイテムながら、和装の印象を大きく左右する重要なアクセントです。季節やTPOに合わせて素材や色を選ぶことで、より洗練された着こなしができます。着物コーディネートを楽しむ中で、ぜひ帯揚げにもこだわってみてください。


