夏着物の中でも、「涼やかさ」と「格調」を兼ね備えた織物として知られる小千谷縮(おぢやちぢみ)。今回は、その産地の歴史から製法、特徴まで、初心者の方にもわかりやすくご紹介します。
小千谷縮の産地|新潟県・小千谷市の誇り
小千谷縮の産地は、新潟県小千谷市(おぢやし)。この地域は古くから織物産業が盛んで、湿潤な気候と清らかな水資源が織物づくりに最適でした。
• 小千谷縮の起源は、江戸時代初期(17世紀)
• 元々は「越後縮」と呼ばれており、農家の副業として広まりました
• 1955年には、国の重要無形文化財に指定されました
小千谷縮の作り方|伝統技術が光る手仕事
小千谷縮は、苧麻(ちょま)という麻の繊維を使用した織物です。製造工程のほとんどが今も手作業で行われています。
1. 苧麻(ちょま)の手績み(てうみ)
• 苧麻は非常に細く短い繊維のため、手で一本一本つなげて糸にする必要があります。
• この作業は「手績み」と呼ばれ、根気と経験が必要です
2. 縮(しぼ)を出す「湯もみ」加工
• 織り上がった生地を熱湯に浸し、木棒などでこすりながら揉む
• これにより、**独特のシボ(しわ)**が生まれ、肌離れの良い風合いが生まれます
3. 天然乾燥
• 夏の風にさらして自然乾燥させることで、繊維の風合いを保ちます

小千谷縮の特徴|涼しさと上品さを両立
1. 抜群の通気性と肌離れ
• シボによって生地が肌にまとわりつかず、夏でもさらっと快適
2. 軽さとシャリ感
• 麻特有のシャリッとした肌触りで、見た目にも涼しげ
3. 落ち着いたデザイン
• 草木染めや絣(かすり)模様など、控えめながらも粋な柄行きが魅力
小千谷縮の着用シーンとコーディネート
• 着用時期:6月〜9月の盛夏
• シーン:街歩き、お食事会、観劇などのカジュアル〜セミフォーマル
• 帯合わせ:羅や麻、絽の名古屋帯・半幅帯がぴったり
💡 半衿や足袋を合わせれば、夏の小紋感覚で上品に楽しめます
お手入れはどうする?
麻は洗える素材ですが、小千谷縮は繊細な手織りのため、専門の悉皆屋さんへの相談がおすすめです。
ご自宅で洗う場合は、手洗いかネットに入れて優しく脱水し、陰干しを。
まとめ
小千谷縮は、古の職人技が生きる夏の高級織物です。
透け感ではなく、**シボによる「空気の層」**で涼しさを感じるその構造は、日本の風土と知恵の結晶とも言えるでしょう。
夏のおしゃれを、見た目にも着心地にもこだわって楽しみたい方に、一枚は持っておきたい逸品です。
🛒 オンラインショップでの購入
1. IONO(イオノ)公式オンラインストア
新潟県小千谷市の老舗「水田株式会社」が運営する公式通販サイトです。
• 小千谷縮の反物や生地、のれん、タペストリーなど多彩な商品を取り扱っています。
• 10cm単位の生地切り売りにも対応しています。
• セールやクーポンの配布もあります。
2. 京都きもの市場
日本最大級の着物通販サイトで、小千谷縮の反物や仕立て上がり品を豊富に取り揃えています。
3. 楽天市場
多くの店舗が出店しており、価格やデザインの比較がしやすいです。
4. Yahoo!ショッピング
小千谷縮の反物を取り扱う店舗が多数あります。
🏬 実店舗での購入
1. IONO 古町ルフル店(新潟市)
新潟市中央区にある直営店で、小千谷縮をはじめとした麻製品を取り扱っています。
• 住所: 新潟県新潟市中央区古町通七番町1010 古町ルフル1F
• 営業時間: 10:00~18:00(定休日: 水曜日)
2. 匠之座(小千谷市)
小千谷市にある小千谷織物工房で、小千谷縮や小千谷紬などの展示販売を行っています。
• 住所: 新潟県小千谷市城内1-8-25(サンプラザ内)
• 営業時間: 9:00~17:00(定休日: 水曜・年末年始)
🎯 購入時のポイント
• 素材と品質: 小千谷縮は麻素材で、通気性と肌触りが特徴です。正規品には証紙が付いていることが多いので、確認しましょう。
• 仕立ての有無: 反物(未仕立て)と仕立て上がり品があります。自分のサイズに合わせたい場合は、反物を購入して仕立てるのがおすすめです。
• 価格帯: 商品や店舗によって価格が異なります。予算や用途に合わせて選びましょう。

