
「着付けを習って、そろそろ自分の着物が欲しくなってきた」そんな風に思う方も多いのではないでしょうか。でも、着物の世界は洋服とは違って、価格も種類もルールも少し複雑。何も知らずに買ってしまうと、「思っていたのと違った」「もっと調べてからにすればよかった…」と後悔してしまうことも。

今回は、着物をこれから買いたいと考えている方向けに、後悔しない着物選びのためのポイントをご紹介します。
まずは「何のために着たいか」を明確に
着物にはシーンごとにふさわしい種類があります。まずは「どんな場面で着たいのか」をはっきりさせることが大切です。
たとえば――
• カジュアルにお出かけしたい → 小紋や紬などの普段着着物
• お茶会や式典に参加したい → 色無地や訪問着などのセミフォーマル着物
• 結婚式や特別な場に出席したい → 訪問着や付け下げなどのフォーマル着物
用途に合った着物を選ばないと、せっかく買っても着る機会がない…ということになりかねません。まずは「着たい場面」を考えるところからスタートしましょう。
「仕立て上がり」と「反物+仕立て」の違いを知ろう
着物の購入方法には、大きく分けて2通りあります。
【仕立て上がり着物】
• すでに仕立ててある着物(既製品)
• サイズが合えばすぐに着られる
• 比較的リーズナブル
• リサイクル品も多く、お得な掘り出し物も
【反物+誂え仕立て】
• 反物(布の状態)を購入し、自分の寸法に仕立てる
• 自分サイズで着心地抜群
• 柄の出方や裏地なども選べるが、価格は高め
• 納期は1ヶ月以上かかることも
初心者さんには、まずは仕立て上がりのリサイクル着物や新品の既製品から始めて、慣れてきたら誂えにも挑戦してみるのがおすすめです。
着物の価格は“帯と小物込み”で考える
着物を買うときに忘れがちなのが、帯や小物の存在です。
着物本体だけでは着ることが出来ず、以下のようなアイテムも必要になります。
• 帯(袋帯・名古屋帯など)
• 長襦袢(着物の下に着るもの)
• 帯揚げ、帯締め、伊達締め、腰ひもなどの小物類
• 草履やバッグ
たとえば、仕立て上がりのカジュアル着物を買う場合の目安は以下の通りです。
アイテム | 価格の目安 |
着物 | 2〜5万円 |
帯 | 1〜3万円 |
小物一式 | 1〜2万円程度 |
合計すると5〜10万円前後になることが多いので、予算を組む際はトータルで考えるようにしましょう。
信頼できるお店で買うことが大前提
どんなに素敵な着物でも、信頼できないお店から買ってしまうと後悔する可能性があります。
安心して買えるお店の特徴は、こんなところです。
• 価格表示が明確で、説明が丁寧
• 無理なおすすめや押し売りがない
• 着物のTPOやコーディネートについて教えてくれる
• 購入後の相談にも応じてくれる(お直し・アフターケアなど)
リサイクル着物専門店、口コミの良いネットショップ、地元で長年営業している呉服店などは初心者にもおすすめです。
トラブルを避けるために!購入前のチェックリスト
最後に、購入前にぜひチェックしてほしいポイントをまとめました。
• 「今買わないと損!」というセールストークに流されない
• 帯や小物も含めた総額で比較する
• 返品・サイズ直しが可能か確認する
• その場で決めず、一度帰って冷静に考える
高額な買い物ほど、一晩考える時間を持つことで「やっぱり欲しい!」という確信が持てるようになります。
おわりに
着物は、ただの衣服ではなく、自分の人生や季節の楽しみを彩ってくれる特別な存在です。だからこそ、最初の一枚は後悔のない選び方をしたいもの。
「着物を買うのって難しそう」と感じるかもしれませんが、焦らずに少しずつ知識を身につけていけば大丈夫。自分らしい一枚との出会いを、ぜひ楽しんでください。
