着物の着付けや仕立て、和装文化を深めるうえで「資格取得」は大きなステップになります。この記事では、和装に関わる主な資格と、国家資格「着付け技能士」を含めた受験方法や取得の流れをわかりやすくまとめました。
和装に関する資格は2種類ある
種類 | 内容 | 代表的な資格 |
---|---|---|
国家資格 | 国が認定する公的資格。実務・就職にも強い | 着付け技能士、和裁技能士 |
民間資格 | 協会や教室が認定する資格。習い事や副業にも◎ | 着付け師、きもの文化検定など |
【国家資格】着付け技能士とは?
2025年現在、「着付け技能士」は厚生労働省が認定する国家資格です。技能検定制度の一つとして正式に制度化されており、着付け技術を客観的に証明できます。
取得できる等級
- 1級着付け技能士:上級者・プロレベル(実務経験者におすすめ)
- 2級着付け技能士:中級レベル(初学者・美容師・講師希望者にも対応)
試験概要(2025年度)
- 学科試験:2025年6月10日(火)
- 実技試験:2025年9月〜12月の間
試験内容:
- 学科:着物の種類・着付け理論・和装マナーなど
- 実技:モデルへの実際の着付け(留袖・振袖など)
合格率(2023年度参考)
- 1級:約59.8%
- 2級:約82.4%
申し込み方法:
全日本着付け技能センターのサイトより申請書を入手し、郵送で申し込み。
▶️ 公式サイト:全日本着付け技能センター
【国家資格】和裁技能士
和裁技能士も技能検定に基づく国家資格で、着物を仕立てる技術者向けの資格です。
- 1級:熟練者向け(実務7年以上または2級取得後2年)
- 2級:中級者向け(実務2年以上)
- 3級:初学者向け(年齢や経験不問)
▶️ 詳細は「都道府県職業能力開発協会」で確認できます。
【民間資格】着付け師・認定講師資格
主な団体・教室
- 日本和装協会
- 全日本着付け技能センター(※前述の国家資格とは別)
- ハクビ京都きもの学院
- 長沼静きもの学院 など
資格内容とレベル例
レベル | 取得できる称号 | 活動範囲 |
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初級 | 初伝・初級認定 | 家族や友人への着付け、自装 |
中級 | 中伝・準師範 | 他装・サロン勤務可 |
上級 | 奥伝・師範 | 教室開講・講師活動可 |
受講・取得の流れ
- 教室や協会の講座に申し込み(通学・通信あり)
- 段階ごとに実技と筆記の検定
- 合格後、認定証を取得
※講座費用や認定料は団体により異なります。
【教養系資格】きもの文化検定
主催:全日本きもの振興会
レベル:1級〜5級(5級が最も基礎)
内容:着物の歴史、TPO、用語、マナーなど
受験方法:年1回の筆記試験(全国で実施)
※独学可能。公式テキストや過去問も市販されています。
【関連資格】コーディネート・カラー系
- 色彩検定(AFT)
- パーソナルカラー検定(JAPCA)
- きものスタイリスト養成講座(各団体)
※着物レンタル業や販売業に従事する方におすすめです。
資格の選び方のポイント
目的 | おすすめ資格 |
---|---|
国家資格でスキルを証明したい | 着付け技能士、和裁技能士 |
趣味・副業・地域活動で活かしたい | 着付け師、民間教室の師範資格 |
教養を深めたい | きもの文化検定、色彩検定 |
まとめ:資格取得で広がる和装の世界
和装の資格にはさまざまな種類があります。国家資格で技術を証明したい方も、趣味として楽しみたい方も、自分の目標に合わせた資格選びが重要です。
特に着付け技能士は、正式な国家資格として社会的な信頼度も高く、今後さらに注目が集まりそうです。
ぜひ、あなたにぴったりの資格を見つけて、和装の世界をもっと深く楽しんでください。

