
着物を美しく着こなすために欠かせない「長襦袢(ながじゅばん)」。しかし、初心者にはその役割や選び方が分かりにくいことも多いですよね。この記事では、長襦袢の基礎知識から、歴史、季節ごとの素材、代表的なメーカーや価格帯、さらに「半襦袢」との違いや使い分けについても詳しくご紹介します。

長襦袢とは?
長襦袢とは、着物の下に着る肌着の一種で、着物と肌の間に一枚挟むことで、汗や皮脂による着物の汚れを防ぐ役割を果たします。また、衿や袖口からちらりと見える長襦袢の色柄が、着物姿を引き立てるアクセントにもなります。
長襦袢の歴史
長襦袢の起源は江戸時代中期とされ、それ以前は「下着」としての機能が重視された単純な衣だったと言われています。江戸時代になると、美意識の高まりと共に長襦袢もおしゃれの一部とされ、豪華な刺繍や洒落た柄のものが作られるようになりました。
特に遊女や町人文化の中では、外には見えないおしゃれとして、派手な長襦袢が流行したことも。現代でも、その名残として、見せる襦袢として「おしゃれ襦袢」が人気です。
季節に応じた素材選び
長襦袢は季節に応じて素材を変えることで、快適さと美しさを両立できます。
季節 | 素材 | 特徴 |
春・秋 | ポリエステル、正絹、麻混 | 程よい保温性と通気性 |
夏 | 絽(ろ)・麻・シルック | 通気性に優れ、涼しい |
冬 | 正絹、綿入りキルティング素材 | 保温性が高いがやや重め |
※近年は、自宅で洗える「東レ シルック」などのポリエステル素材が通年人気です。
長襦袢の代表的なメーカーと価格帯
メーカー | 特徴 | 価格帯(参考) |
東レ(シルック) | 洗える・シワになりにくい | 約10,000~20,000円 |
白鷹織物(正絹襦袢地) | 高級感・肌触り抜群 | 約30,000円~ |
やまと・一蔵などの呉服店オリジナル | カスタム対応可能 | 15,000~50,000円 |
ネット通販(楽天・Amazon) | 手軽で種類豊富 | 5,000円~20,000円 |
長襦袢と半襦袢の違いと使い分け
項目 | 長襦袢 | 半襦袢 |
長さ | 着物と同じ丈 | 腰丈(上半身のみ) |
使用シーン | 正装・フォーマル | カジュアル・普段着 |
涼しさ | やや暑い | 通気性が高く涼しい |
組み合わせ | 肌襦袢の上に着る | 裾よけと合わせて着る |
着姿 | 着物と重なって美しく見える | ラフで軽やか、動きやすい |
使い分けの目安
• フォーマルな場(結婚式・式典など):長襦袢
• 夏の普段着や浴衣と合わせて着物風に:半襦袢+裾よけ
• 茶道・稽古着などで動きやすさ重視:半襦袢
• おしゃれ着物でちらりと襦袢を見せたい時:長襦袢(おしゃれ柄)
まとめ
長襦袢は着物を美しく、快適に着こなすための大切なアイテムです。素材や季節、TPOに合わせた選び方を知ることで、着物ライフがより楽しく、快適になります。半襦袢との使い分けを意識すれば、暑い日も寒い日も無理なくおしゃれを楽しめます。

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